身長182cmで生きていると、初対面の方からは「背、高いですね」と言われる場面は意外と多いです。ここから自慢にならないかつ、卑屈にもならない返しを考えるのですがなかなか100点の回答は見つけられていません。
そんな私は服を選んでいるとき、その身長を「武器」だと感じる瞬間が多いのですが、ときどき「重荷」に感じてしまう瞬間もあります。
21歳の頃の私は、ワイドパンツに薄手のスウェットを合わせて、自分なりに「ちょっとオシャレなコーデ」のつもりで外に出ていました。けれども、その日初めて全身鏡に映った自分を見たとき、すごくショックを受けたのを今も覚えています。
「あ、これ、全然おしゃれじゃないかも」と。
そこから5年。失敗を繰り返しながら、自分なりの「服選びのルール」を少しずつ言葉にしてきました。この記事では、私が今でもコーディネートを考えるときに使っている外さない服選びの4ルールと、その4ルールを超える1つの裏ワザを、できるだけ正直に共有します。
「おしゃれが分からない」「服を買っても垢抜けない」と感じている高身長メンズの方に、何かしらヒントが残せたら嬉しいです。

21歳の私は、全身鏡すら持っていなかった
5年前、21歳の私のクローゼットの中身は、今思い返すと驚くほど単調でした。よく着ていたブランドは「RAGEBLUE」「HARE」「MONO-MART」あたり。色味は、ほぼモノトーン一択でした。
当時の私にとってモノトーンは「無難で大人っぽい色」という認識で、何を選べばいいか分からないからとりあえず黒かグレーか白を買う、という思考停止に近い選び方をしていたと思います。今振り返ると、モノトーンが悪かったわけではなく、「色を選ぶ理由」を持っていなかったことが問題だったのかもしれません。
ワイドパンツ×ゆるトップスで撃沈した日
その頃、覚えている中で一番恥ずかしかったコーデがあります。当時流行りかけていたワイドパンツを買って、そこに少しゆるめのトップスを合わせた組み合わせでした。
問題は2つ。1つは、買ったワイドパンツの丈が想像より短かったこと。もう1つは、その丈の短さにプラスしてトップスもボトムスも両方ゆるい「ゆる×ゆる」になってしまっていたことです。ゆる×ゆる単体は悪いわけではないのですが、今の言葉で言うなら、シルエットの設計が完全に崩壊していたコーデでした。
けれども当時の私は、出かけるまで自分のコーデの「全体像」を見ていませんでした。理由は単純で、家に全身鏡がなかったからです。洗面所の鏡で上半身だけ確認して、なんとなく「いい感じかな」で外に出ていたんです。

友人宅の全身鏡で気づいた「全然おしゃれじゃない自分」
その日、友人の家に遊びに行った私は、玄関に置いてあった全身鏡に映る自分を見て、思わず立ち止まりました。
そこにいたのは、想像していた「ワイドパンツでちょっとオシャレな自分」ではなく、丈の足りないパンツとぼやけたシルエットのトップスを組み合わせた、ただただバランスの悪い182cmの男でした。「あれ、これ、写真に撮られたら結構ヤバい気がする」と本気で思いました。
あの瞬間が、私にとっての「ちゃんと服を学ぼう」と決めたスタート地点です。高身長は、ハマればかっこよく見える反面、外したときの「違和感」もそのまま大きく見えてしまうのだと、身をもって理解した日でした。
- 当時のブランド:「RAGEBLUE」「HARE」「MONO-MART」中心のモノトーン
- 失敗の本質:色の選び方ではなく「シルエットを全体で見ていなかった」こと
- 転機:友人宅の全身鏡で、初めて自分のコーデを引きで見た瞬間
服選びの「独学5年」で出会った人たち
「ちゃんと学ぼう」と決めたものの、当時の私にはファッションに詳しい知り合いも、頼れる先輩もいませんでした。だから、ここからの数年間は本当に独学でした。手探りで動画を漁り、本を読み、Instagramを毎日眺めて、自分のなかにある「いいな」のサンプルを増やしていく作業を続けていました。
最初の指南役:YouTuberのげんじさん
最初に出会ったのが、メンズファッション系YouTuberの「げんじ」さんの動画でした。自分の感性でもわかりやすい動画が多く私にとってはまさに入り口の存在です。
げんじさんの動画から学んだのは、いきなり高度なテクニックではなく、「服には流行があって、形と色のバランスを意識するだけで印象が変わる」という当たり前のことでした。けれども当時の私にとっては、その「当たり前」が新鮮で、ようやくファッションを「センスで選ぶもの」ではなく「ロジックで組み立てるもの」として見られるようになった時期だったと思います。
思考が深まった:MBさんの動画と本
そこから少し経って出会ったのが、ファッションバイヤー兼スタイリストの「MB」さんでした。動画も見ましたが、書籍も読んでいます。動画に関しては今でも見ており、楽しく勉強させていただいています。
MBさんから受け取ったものは大きく分けて2つあります。1つは「ドレスとカジュアルのバランスで考える」という、いわゆるドレス度の考え方。もう1つは、「なぜそれがかっこよく見えるのか」を、感覚ではなく言葉で説明していくスタイルそのものでした。
後ほど詳しく書きますが、私がこの記事でずっと「ロジック」という言葉を使うのは、たぶんMBさんの影響が大きいのだと思います。

好きな世界観を広げた:Instagram研究
動画と本である程度の「理屈」を理解したあと、最後に役立ったのがInstagramでした。気になるブランドのアカウント、自分と体型が近そうなインフルエンサー、好みの世界観のスタイリストを、片っ端からフォローし、自分がいいなと感じたコーディネートのブックマークをどんどん増やしていきました。
Instagramで意識していたのは、フォロー数を増やすことではなく、「いいな」と感じた投稿のどこが効いているのかを言語化してみることです。「シルエットがきれい」「色のトーンが揃っている」「靴と帽子で色が拾われている」など、自分の語彙で説明できる範囲で構わないので、保存するたびに一言メモを残すようにしていました。
これを行っていて気づいたのですが、言語化できないテクニックは自分で再現できないということです。最初はネクタイコーデを自分でもやってみたかったのですが、ただシャツとネクタイをすればいいのではなく、きれい目なネクタイをいかに私服に落とし込むか、というポイントを理解できていないがために、インスタで見るコーディネートとは違う印象になってしまっていました。

コーディネートを真似する際は、多々あるディテールごと真似しないと印象が変わってしまうと学びました。
こうしてげんじさん→MBさん→Instagramと進んだ独学の流れは、今でも自分の中で大事な順番だと思っています。誰の真似でもないけれど、たくさんの人の影響を受けて辿り着いた、というスタンスを正直に書いておきたかったのです。
ルール①|色は3色まで(最初に気づいたルール)

4ルールのうち、私がいちばん最初に意識し始めたのが「色は3色まで」というルールでした。
身につけるアイテムの色数を、おおよそ3色以内にまとめる。ありふれた考え方かもしれませんが、これを意識し始めてから、自分の写真を見返したときの「散らかった印象」が一気に減りました。とくに高身長の場合、面積が大きいぶん、色数が増えると一気にうるさく見えやすいと感じています。高身長のコーディネートではいい面も倍増する代わりに悪い面も倍増すると覚えておきましょう。
白か黒を必ずどこかに入れる(私は白優先)
3色ルールの中で、私がさらに自分用に課しているのが「白か黒を必ず1色入れる」という縛りです。3色のうちの1色は、できる限り白に寄せることが多いです。
理由はシンプルで、白が入っていると抜け感が出やすいからです。黒だけで構成すると重く沈みがちで、私のように182cmの身長だと、シルエット全体が「黒い壁」のように見えてしまうことがありました。白を1か所、面積は小さくてもいいので差し込んでおくと、全体の印象がふっと軽くなります。
初心者には鉄板「白×黒×青」

もし「3色って言っても、どの3色を選べばいいか分からない」という方には、まず「白×黒×青」の組み合わせから始めることを提案したいです。
この3色を「鉄板」と呼んでいるのは、ほとんどのアイテムが揃いやすく、相性も外れにくいからです。例えば白のTシャツ、黒のスラックスやデニム、紺色のシャツやジャケット。これだけでも、毎朝のコーデで迷う時間はぐっと短くなります。
- 白:抜け感の担当。1か所だけでも入れると印象が軽くなる
- 黒:締めの担当。靴・パンツ・ジャケット・小物で取り入れやすい
- 青:差しの担当。ネイビーシャツやデニムで自然に入る
上級者テク①:オールブラック+1色

「3色まで」という言い方をしましたが、3色じゃないと駄目、という話ではありません。あくまで「色が散らからない」ためのガイドラインです。
たとえばオールブラック+1色のコーデは、慣れてくるととてもかっこよく見えると思っています。全身を黒で揃えたうえで、靴だけ白にする、バッグだけ茶色にする、帽子だけ赤にする、というような「1点差し」のスタイルです。
身長182cmの私の場合、全身黒だけだと圧が強くなりすぎるので、足元の白スニーカーで抜け感をつくるパターンが多いです。後ほど触れる「色を拾う」という裏ワザとも相性のいい使い方になります。
上級者テク②:同系色でまとめる

もうひとつ「3色まで」の枠を一見はみ出して見えるけれど、実はとても整って見えるのが、同系色でまとめるコーデです。
例えばベージュ・キャメル・ブラウンといった茶系のグラデーションでまとめたり、ネイビー・グレー・チャコールという寒色トーンでまとめたりするスタイルです。色の数で言えば3色以上に見えるのに、全体としては不思議とまとまって見えます。
同系色まとめは、Instagramでよく見かける上級者の手筋だと感じています。最初から狙うとハードルが高いので、まずは「白×黒×青」で安心して着られる土台を作り、慣れてきたら少しずつ同系色まとめにも挑戦してみると、世界が広がっていくのではないでしょうか。
ルール②|シルエット(次に気づいたルール)

色のルールがある程度自分の中で固まったあと、次に意識し始めたのがシルエットでした。順番としては2番目です。
シルエットというのは、コーデを正面から見たときの「外形のかたち」のこと。Iライン・Yライン・Aラインなどと呼ばれるものですね。専門用語に怯む必要はなくて、「ストン」「上が太い」「下が太い」くらいの感覚で十分だと思います。
高身長は「ワイド」と相性が良い

身長182cmの体感として、シルエットの引き出しで私がよく頼っているのがワイドパンツです。
細身のパンツも嫌いではないのですが、トップスにスウェットやオーバーサイズのシャツを合わせるなら、ボトムスはワイドのほうが「縦×横」の比率が気持ちよく決まりやすい印象があります。背が高いぶん、ワイドパンツの「ボリューム」が間延びせず、ちゃんとシルエットとして機能してくれます。
もちろん、Aライン(上が細く、下が太い)になりすぎないように、上半身にも適度なボリュームを持たせるか、丈やシャツの落ち感で調整するように意識しています。
「細身×細身」はガタイ次第
逆に、私が今あまり選ばないのが細身×細身の組み合わせです。
細身トップス+細身パンツは、もちろんかっこよく決まる人もいます。ただ、それなりにガタイがある人のほうがハマりやすい印象があります。具体的には、肩幅と胸まわりにしっかり厚みがある人。
私は身長182cmに対して71kgというどちらかと言うと痩せ型寄りの体型なので、細身×細身を選ぶと、シルエットがどうしても「貧弱」に見えてしまう瞬間があります。同じ体型・骨格の方は、最初は無理に細身を選びにいかなくてもよいのではないでしょうか。
タイトすぎパンツは今のトレンドから外れる
もう一つ、シルエットで意識しているのが「タイトすぎるパンツを選ばない」という点です。
スキニーパンツが流行っていた時期もありましたが、ここ数年のメンズトレンドは、明らかに「ややゆるい」「ストン」と落ちる方向に動いていると感じます。タイトすぎるパンツは、それ自体が悪いというより、「今っぽくないかどうか」がコーデ全体の印象に効いてくるイメージです。
- 細身×細身:肩・胸の厚みがないと貧弱に見えやすい
- タイトすぎパンツ:今のトレンド感から外れて古く見えがち
- ワイド×ゆるトップス:5年前の私の失敗。バランス崩壊につながりやすい
シルエットは「自分の体型」と「今の空気感」の交差点なので、流行を追いすぎる必要はないものの、5年前のスキニーをずっと履き続ける、というのは少しもったいないと思っています。
ルール③|ドレス度(3番目に気づいたルール)

3番目に意識し始めたのがドレス度です。これはMBさんの考え方に強く影響を受けている部分でもあります。
ドレス度というのは、ざっくり言うと「きれいめか/カジュアルか」の振り分けのこと。スラックスは「ドレス寄り」、スウェットは「カジュアル寄り」、というふうに、アイテムごとに「ドレス⇔カジュアルのメーター」が振られていると考えるイメージです。
一般的にスーツスタイルがドレス度マックスのコーデです。対局はストリートコーデのようなカジュアルなこーでになります。
きれいめベース+カジュアル崩しが基本
私の基本スタンスは「きれいめベース+カジュアル崩し」です。土台はドレス寄りのアイテムで組んで、そこに1〜2点だけカジュアル要素を入れて、力みを抜く、というやり方です。
例えば、スラックス+シャツのきれいめセットアップに、足元だけスニーカーを合わせる、といったコーデです。きれいめだけで揃えるとドレス寄りに振りすぎて、街着としては少し堅いように映ります。逆にカジュアルだけで揃えると、26歳の自分にはどこか幼く見えてしまう、というのが実感です。

高身長は「カジュアルもドレスも着こなせる」役得がある
ここで、私が高身長の役得として感じている部分を1つ挙げたいです。
身長が182cmあると、ドレス寄りに振っても、カジュアル寄りに振っても、「それなりに様になる」場面が多いように感じます。スーツのジャケットでも、オーバーサイズのスウェットでも、身長の縦の長さがどちらの世界観も「引き上げて」くれるイメージです。
もちろん、振りすぎは禁物です。ドレス寄りに振りすぎると威圧感が出てしまうので、靴やインナーで一段カジュアルに落としたほうが好印象だと感じる場面が多いです。逆に、カジュアル寄りに振りすぎると、せっかくの身長が「ラフな大学生」止まりに見えてしまう日もありました。
アイテム別・ドレス度のざっくりメーター
細かい数値で語ると面倒になるので、私の頭の中ではこんなくらいのざっくりイメージで分類しています。
| アイテム例 | ドレス度 |
|---|---|
| スラックス/ジャケット/革靴 | ドレス寄り |
| シャツ/きれいめニット/ローファー | ややドレス寄り |
| 無地T/きれいめスニーカー | 中間 |
| スウェット/パーカー/キャップ | カジュアル寄り |
| 派手プリント/ダメージデニム | 強カジュアル |
あとはこの表を眺めながら、コーデ全体の「真ん中」がどのあたりに落ちるかをイメージするだけです。バランスが「中間〜ややドレス寄り」になっていれば、外しすぎることは少ないのではないかと感じています。

ここは非常に奥が深い部分です。
例えばシャツに関して、半袖やリネン素材、襟がなかったり小さかったりすると、シャツの中でもカジュアル寄りのシャツという位置づけになります。
1つのアイテムを細分化してみた時にも、ドレスかカジュアルのポイントがあるということです。こういった細かいディテールによってアイテム事体のドレス度が変化するという点を覚えておくとワンランクアップしたコーディネートを組めるようになります。
ルール④|個性(最後に気づいたルール)

そして、4番目で最後に意識し始めたのが個性でした。順番としても4番目なので、いちばん時間がかかって辿り着いた軸です。
色・シルエット・ドレス度が整ってくると、「外さない」コーデは組めるようになります。ただ、そこから一歩進めて「自分らしさ」を出すには、もう1段階上の意識が必要だと感じるようになりました。
ただ、ここでいう「自分らしさ」とはただ派手にすればいいというわけではありません。そちらに関して順を追って説明していきます。
高身長は「外すと悪目立ちする」宿命
個性の話でまず正直に書いておきたいのは、高身長は「外したときの悪目立ち」がすごいということです。
個性的な柄や色を入れたコーデは、シルエットの大きさと相まって、街なかでとても目立ちます。ハマればかっこいいのですが、外したときの「あれ、なんかおかしいな」も、そのまま大きく目立ってしまいます。だから私は、攻めた服を買おうとするたびに、毎回ちょっと躊躇している自分がいます。
でも「地味は本当に地味」というジレンマ

一方で、安全策ばかり選んでいくと、「地味は本当に地味」というジレンマにぶつかります。
無地・モノトーン・ベーシックなアイテムだけでまとめると、確かに失敗はしにくいのですが、それだけだと「綺麗に整いすぎていて、印象に残らない人」になってしまうのも事実だと思います。21歳の頃の私は、まさにそのゾーンにいました。
個性の入れ方は「素材・小物・ワンポイント」
このジレンマと付き合いながら、私がたどり着いた折り合いは、個性は「素材・小物・ワンポイント」で出すという考え方です。
色や柄を派手にして個性を主張するのではなく、リブのある生地、コーデュロイ、リネン、レザーといった素材の表情で個性を出す。あるいは、シルバーアクセサリーや味のある革靴、形の良い帽子といった小物で個性を入れる。
こうしておくと、全体のシルエットや色のルールは崩さずに、「あれ、なんかいい服着てるな」というポイントだけが残ります。高身長は面積が大きいぶん、小物1点でもしっかり個性として伝わってくれるので、相性のいいやり方だと感じています。
4ルールを超える裏ワザ「色を拾う」
ここまで紹介してきた4ルールは、どちらかというと「外さない」ためのルールでした。最後に、4ルールの上にもう1段乗せると一気にコーデの完成度が変わる、と私が感じている裏ワザを共有させてください。それが「色を拾う」という考え方です。
「色を拾う」とは、コーデ全体ですでに使っている色を、別のアイテム(小物・帽子・靴など)でもう一度繰り返すこと。たったこれだけのことなのですが、これを意識しているコーデと意識していないコーデでは、見たときの「整った感じ」がはっきり違ってきます。
帽子の色は全身から拾う

分かりやすい例が帽子です。
例えばコーデが「白×黒×青」の3色構成なら、帽子の色はその3色のどれかから選ぶようにしています。明るい色だから映えるかな、と思って急に赤い帽子を入れると、4色目になって統一感が崩れる印象があります。帽子は顔の真上にくるアイテムなので、面積以上に存在感が出るんですよね。
オールブラックに「あえて白靴」を差す
もうひとつ、私がよく使うのが「オールブラックコーデに白の靴を1点だけ差す」パターンです。
全身を黒で揃えると、それだけで完成しているように見える反面、どこか重く感じる日があります。そんなときに足元の白スニーカーが、コーデ全体に「呼吸」を入れてくれるイメージです。インナーやTシャツがチラッと白くなっているなら、その色を「足元でもう一度拾う」と考えると、もっと自然に説明できると思います。
柄物Tシャツは「柄の中の色」で合わせる

「色を拾う」を理解するのに、いちばん分かりやすい例が柄物のTシャツかもしれません。
例えば、白地に黒のロゴが入ったTシャツを着るとします。そのとき、パンツや靴の色を、柄の中にすでに含まれている「白」または「黒」から選ぶようにします。逆に、柄に含まれていない色のパンツ(例えば緑のパンツなど)をいきなり持ってくると、Tシャツの世界観とパンツの世界観がぶつかってしまい、なんとなくちぐはぐな印象になりがちです。
柄物アイテムは、「色を拾う」を強制的に練習させてくれる存在だと思っています。最初は柄Tシャツを1枚買って、それを軸にコーデを組んでみると、感覚がつかみやすいのではないでしょうか。
- 帽子の色:コーデ全体ですでに使っている色から選ぶ
- 靴の色:インナーや小物の色を、足元でもう一度繰り返す
- 柄物アイテム:柄の中に含まれる色を、別アイテムで拾い直す
私が絶対やらないこと(タブー)
ここまでが「やったほうがいいこと」中心の話でした。逆に、私自身が「これは選ばないようにしている」と決めているスタイルもあります。これも、ロジックを揃えるうえで言語化しておきたいポイントです。
カラフル過ぎるコーデ
まず1つ目はカラフル過ぎるコーデです。先ほどの「3色まで」のルールに反するのはもちろんですが、それ以上に、私の好む大人っぽい雰囲気との距離が遠くなる、という感覚があります。
赤・青・黄・緑が同時にコーデに入ると、それだけで「主役が複数いるコーデ」になってしまいます。そうなると視線がどこにも止まらず、結果として記憶に残らない、ぼやけた印象になりがちです。
ストリート色が強すぎるスタイル
2つ目はストリート色の強すぎるスタイルです。
ストリートが好きな方を否定するつもりは一切ありません。ただ、私自身はきれいめベースのほうが似合うと感じています。MBさんの提唱する「ドレス寄りに振った大人カジュアル」的な考え方への共感も強くて、自分の中での「軸」がそちらに寄っているのだと思います。
ストリート寄りに振りすぎると、26歳という年齢的にも、自分の顔つきや雰囲気とも合わなくなってくる、という肌感があります。だから、ストリートの要素を取り入れるとしても、1点だけに絞って、ベースのきれいめは崩さないようにしています。
裏を返すと、これらを避けるだけでもコーデの平均点はかなり上がるのではないかと感じています。「やらないこと」を決めておくのも、立派なルール作りの一部だと思います。
4ルール×裏ワザを毎朝の服選びに落とし込む手順
ここまでで、4ルール(色/シルエット/ドレス度/個性)と、それを超える裏ワザ「色を拾う」を紹介してきました。最後に、これらを実際の毎朝の服選びにどう落とし込んでいるか、私の手順を共有させてください。
ステップ①:今日着る「軸の1枚」を決める
まず最初に決めるのは、その日コーデの「軸になる1枚」です。それはお気に入りのシャツでもいいし、新しく買ったパンツでもいい。「今日はこれを着たい」と思える1枚から考え始めます。
4ルールから入ろうとすると、頭でっかちになって決まらない日が出てきます。気分から入って、そこにルールを後から重ねるくらいの順番が、結果としていちばんラクに続けられました。
ステップ②:3色以内で残りを組む
軸の1枚が決まったら、その色+あと2色で全身を構成できないか、ざっくり考えます。1枚目がネイビーのシャツなら、白+黒で構成して「青×白×黒」にする、という感じです。
このステップは、ほぼ反射でできるようになるまで2〜3年かかりました。難しい場合は、軸の1枚+「白Tシャツor黒スラックスor黒スニーカー」の定番3点から組み合わせを試してみるのがおすすめです。
ステップ③:シルエットを引きで確認する

色が決まったら、次はシルエットです。全身鏡の前で、コーデ全体のかたちを「引き」で見ます。
21歳の私に、いちばん足りていなかったのがこのステップでした。スマホで全身を1枚撮ってみて、「I・Y・Aのどれに見えるか」「ボリュームが片方に寄っていないか」を冷静に眺めます。違和感があれば、トップスのサイズか、パンツのシルエットを変えると、たいてい解決します。
ステップ④:ドレス度のメーターを揃える
続いて確認するのがドレス度のメーターです。トップス・ボトムス・靴・小物のドレス度が、おおむね「中間〜ややドレス寄り」に揃っていればOK、という感覚で見ています。
例えば、きれいめのシャツ+スラックスの上に、いきなりキャップとスニーカーをガッツリ盛ると、ドレス度が一気にカジュアル側に流れてしまいます。そのときは、靴だけはきれいめのローファーやレザースニーカーに替える、といった微調整を加えるイメージです。
ステップ⑤:個性は1点まで、色は最後に拾う
最後に、個性と「色を拾う」のチェックです。
個性アイテム(柄物・派手色・特徴的なシルエット)は1点までに絞ります。複数入れると、4ルールが一気に崩れる印象があります。そして、その個性の色が、ほかのアイテムでももう一度拾えるかどうかを確認して、最後の調整をします。
- ①:今日着たい「軸の1枚」を決める(気分から入る)
- ②:3色以内で残りのアイテムを組む
- ③:全身鏡で「引き」のシルエットを確認
- ④:ドレス度のメーターを中間〜ややドレス寄りに揃える
- ⑤:個性は1点まで/その色を別アイテムで「拾う」
慣れてくると、この5ステップは3〜5分で回せるようになります。朝の支度が遅い方ほど、いちど手順としてルール化してしまったほうが、結果的に時間が短くなる、という体感があります。
まとめ|ロジックを知ると、自信がついてくる
長い記事になってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。最後に、私がこの記事をとおしていちばん伝えたかったことを書かせてください。
21歳のあの日、全身鏡を持っていなかった私は、「おしゃれな人ってセンスがすごいんだろうな」と漠然と思っていました。けれども、独学で5年かけて辿り着いた今の結論は、「おしゃれは大半がロジックでできている」というものでした。
センスがゼロでも、4ルールと裏ワザを知っていれば、平均点はかなり上がります。そしてロジックを土台にしたうえで、自分の好きなアイテムや、似合う色味を少しずつ足していくと、それが「自分らしさ」になっていく。これが、5年間の独学を経た私なりの実感です。
もし、この記事を読んで「明日のコーデから1個だけでも試したいな」と思ってもらえたなら、それがいちばん嬉しいです。基礎をしっかりさせておくと、応用の幅が広がって、間違いのないコーデが組めるようになります。そうすると、自然と自信がついてきます。
身長182cmで、毎朝の服選びに迷っているあなたへ。完璧を目指す必要はないと思います。「外さない4ルール」と「色を拾う」、まずはこの5つの考え方だけ、頭の片隅に置いてみてください。鏡の中の自分が、ほんの少しだけ違って見えてくる日が、きっとくるはずです。







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